痛ましい話 harrowing tale 2004 6 16
先日、郵便局のロビーに座って順番を待っていると、
高齢の主婦が、必死になって、郵便局の職員に尋ねていた。
100万円を貯金したいのですが、どれが一番、利子がつくのか。
しかし、残念なことに、今は、ゼロ金利に近い状態で、
どの金融商品にしても、利子は、わずかで、
有利な利率と言っても、金額にすれば、誤差の範囲となってしまうのです。
実に気の毒なことです。
かつての金利ならば、高齢の主婦は、貯金の利率など聞くことはなかったでしょう。
今は、超低金利時代なので、信じられないでしょうが、
定期預金の金利が、5%以上の時代があったのです。
それでも、株式市場は好調でした。
もし、定期預金の金利が5%だとすると、
主婦が持ってきた100万円を、10年間貯金すると、いくらになるでしょうか。
もし、金利が5%ならば、安心して老後が暮らせたでしょう。
こうした人は、年金と貯金で暮らしているのです。
誰もが、年金と貯金で暮らしている人のことを忘れているのです。
こうした人たちは、日本の高度成長時代を背負ってきたのです。
それが、老後になったら、こういう仕打ちをするのでしょうか。
恩を仇で返すようなものです。
こんな老後になるとは、予想もできなかったはずです。
定年退職して、税金を納めなくなった人間は、どうでもいいのか。
こういう人間は、金融政策にとって、「不要な人間」なのか。